代表的な後遺障害


交通事故による後遺障害には、大きく分けて「目に見えやすい後遺障害」、「目に見えにくい後遺障害」があります。

後遺障害については、認定基準が数値化されており、交通事故で残存した症状ごとに細かく決められています。

後遺障害の代表的なものとして、以下の症状があります。

代表的な後遺障害

高次脳機能障害

高次脳機能障害とは、交通事故によって脳挫傷などの頭部の負傷を負い、回復後も認知力、記憶力、思考力、判断力の低下、言語や聴覚の障害、抑うつなどの情動障害などによって、仕事や日常生活に大きな支障をきたし、社会復帰が困難な状態となる傷害をいいます。

脊髄損傷

脊髄とは、小脳から背骨(頸椎、胸椎、腰椎)の中を通っている中枢神経であり、脳と身体の隅々まで張り巡らされた末梢神経とを双方向に繋ぎ、信号を伝達する重要な神経です。

脊髄損傷とは、主に大きな外傷を受けたことで、脊椎が骨折、脱臼を起こした際に生じます。

また、脊髄の入っている脊柱管に外傷が加わることで脊髄損傷が生じることもあります。

脊髄に損傷を受けると、脳からの情報が正しく伝達されなくなり、障害部位以下の運動、知覚機能、自律神経が著しく障害されます。

自律神経が損傷することにより、体温調節機能や代謝機能が困難となります。

脊髄損傷によって、身体に麻痺が残ってしまった場合、麻痺の範囲や程度によって後遺障害等級の認定基準が決まります。

むちうち症

むち打ち症(正式には外傷性頸部症候群、頸椎捻挫)とは、主に自動車の追突、衝突などによって首が鞭のようにSの字型に動くことにより、様々な症状が出現する疾患です。

むち打ちの特徴は、単純な外傷で発症するにも関わらず、従来の頚椎外傷の概念では説明し難い症状を引き起こし、後遺症を残す症例があると言う点です。

そのため、事故直後は自覚症状も無かったのに、数日後から症状が現れ、徐々に痛みが強くなることも珍しくありません。

通常のレントゲン写真では異常を認めないことも多く、難解な疾患と考えられてきました。

ムチ打ちの原因は、頚椎椎間板ヘルニアが脊髄神経から突出し、首や腕に繋がる神経根と自律神経を刺激、あるいは圧迫することにより発症します。

また、脳脊髄液漏れもむち打ちの症状の原因であることが判明しています。

脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)

脳脊髄液減少症とは、交通事故などによる外傷により、脳脊髄液腔から脳脊髄液(髄液)が持続的・断続的に漏れ出すことで減少し、頭痛、頚部痛、めまい、耳鳴り、視機能障害、倦怠など様々な症状が生じる疾患のことをいいます。

今まで、むち打ち症とされてきた被害者の多くが、この疾患だと推定されています。

交通事故による脳脊髄液減少症は、損害保険会社との間でトラブルが解決しない場合、最終的には裁判で解決することになります。

そのため、被害者は裁判所を納得させるために、当該交通事故によって脳脊髄液減少症を発症し、それにより治療費が必要であることを立証する必要があります。

外貌醜状

外貌醜状(がいぼうしゅうじょう)とは、文字通り外貌の醜状を意味します。

外貌とは、頭部、顔面部、頸部など日常露出する部分のうち、上肢及び下肢以外の部分を指します。

これらの箇所に、目立った傷跡が残ってしまった場合、傷として残った醜状痕は後遺障害の1つとして評価されます。

被害者が人目に触れる部位に傷痕が残った場合、精神的なショック(後遺症慰謝料)や、将来の職業に対する影響(逸失利益)を、損害賠償請求していく権利が発生します。

後遺障害等級表

介護を要する後遺障害の場合の等級及び限度額

等級 介護を要する後遺障害 保険金(共済金)額
第1級
  1. 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
  2. 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
4,000万円
第2級
  1. 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
  2. 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
3,000万円

【備考】

各等級の後遺障害に該当しない後遺障害であつて、各等級の後遺障害に相当するものは、当該等級の後遺障害とする。

後遺障害の等級及び限度額

等級 後遺障害 保険金(共済金)額
第1級
  1. 両眼が失明したもの
  2. 咀嚼及び言語の機能を廃したもの
  3. 両上肢をひじ関節以上で失つたもの
  4. 両上肢の用を全廃したもの
  5. 両下肢をひざ関節以上で失つたもの
  6. 両下肢の用を全廃したもの
3,000万円
第2級
  1. 一眼が失明し、他眼の視力が〇・〇二以下になつたもの
  2. 両眼の視力が〇・〇二以下になつたもの
  3. 両上肢を手関節以上で失つたもの
  4. 両下肢を足関節以上で失つたもの
2,590万円
第3級
  1. 一眼が失明し、他眼の視力が〇・〇六以下になつたもの
  2. 咀嚼又は言語の機能を廃したもの
  3. 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
  4. 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
  5. 両手の手指の全部を失つたもの
2,219万円
第4級
  1. 両眼の視力が〇・〇六以下になつたもの
  2. 咀嚼及び言語の機能に著しい障害を残すもの
  3. 両耳の聴力を全く失つたもの
  4. 一上肢をひじ関節以上で失つたもの
  5. 一下肢をひざ関節以上で失つたもの
  6. 両手の手指の全部の用を廃したもの
  7. 両足をリスフラン関節以上で失つたもの
1,889万円
第5級
  1. 一眼が失明し、他眼の視力が〇・一以下になつたもの
  2. 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
  3. 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
  4. 一上肢を手関節以上で失つたもの
  5. 一下肢を足関節以上で失つたもの
  6. 一上肢の用を全廃したもの
  7. 一下肢の用を全廃したもの
  8. 両足の足指の全部を失つたもの
1,574万円
第6級
  1. 両眼の視力が〇・一以下になつたもの
  2. 咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの
  3. 両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になつたもの
  4. 一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
  5. 脊柱に著しい変形又は運動障害を残すもの
  6. 一上肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの
  7. 一下肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの
  8. 一手の五の手指又はおや指を含み四の手指を失つたもの
1,296万円
第7級
  1. 一眼が失明し、他眼の視力が〇・六以下になつたもの
  2. 両耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
  3. 一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
  4. 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
  5. 胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
  6. 一手のおや指を含み三の手指を失つたもの
  7. 又はおや指以外の四の手指を失つたもの

  8. 一手の五の手指又はおや指を含み四の手指の用を廃したもの
  9. 一足をリスフラン関節以上で失つたもの
  10. 一上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
  11. 一下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
  12. 両足の足指の全部の用を廃したもの
  13. 外貌に著しい醜状を残すもの
  14. 両側の睾丸を失つたもの
1,051万円
第8級
  1. 一眼が失明し、又は一眼の視力が〇・〇二以下になつたもの
  2. 脊柱に運動障害を残すもの
  3. 一手のおや指を含み二の手指を失つたもの
  4. 又はおや指以外の三の手指を失つたもの

  5. 一手のおや指を含み三の手指の用を廃したもの
  6. 又はおや指以外の四の手指の用を廃したもの

  7. 一下肢を五センチメートル以上短縮したもの
  8. 一上肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
  9. 一下肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
  10. 一上肢に偽関節を残すもの
  11. 一下肢に偽関節を残すもの
  12. 一足の足指の全部を失つたもの
819万円
第9級
  1. 両眼の視力が〇・六以下になつたもの
  2. 一眼の視力が〇・〇六以下になつたもの
  3. 両眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
  4. 両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
  5. 鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの
  6. 咀嚼及び言語の機能に障害を残すもの
  7. 両耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
  8. 一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり、他耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になつたもの
  9. 一耳の聴力を全く失つたもの
  10. 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
  11. 胸腹部臓器の機能に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
  12. 一手のおや指又はおや指以外の二の手指を失つたもの
  13. 一手のおや指を含み二の手指の用を廃したもの
  14. 又はおや指以外の三の手指の用を廃したもの

  15. 一足の第一の足指を含み二以上の足指を失つたもの
  16. 一足の足指の全部の用を廃したもの
  17. 外貌に相当程度の醜状を残すもの
  18. 生殖器に著しい障害を残すもの
616万円
第10級
  1. 一眼の視力が〇・一以下になつたもの
  2. 正面を見た場合に複視の症状を残すもの
  3. 咀嚼又は言語の機能に障害を残すもの
  4. 十四歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
  5. 両耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になつたもの
  6. 一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になつたもの
  7. 一手のおや指又はおや指以外の二の手指の用を廃したもの
  8. 一下肢を三センチメートル以上短縮したもの
  9. 一足の第一の足指又は他の四の足指を失つたもの
  10. 一上肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの
  11. 一下肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの
461万円
第11級
  1. 両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
  2. 両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
  3. 一眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
  4. 十歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
  5. 両耳の聴力が一メートル以上の距離では小声を解することができない程度になつたもの
  6. 一耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
  7. 脊柱に変形を残すもの
  8. 一手のひとさし指、なか指又はくすり指を失つたもの
  9. 一足の第一の足指を含み二以上の足指の用を廃したもの
  10. 胸腹部臓器の機能に障害を残し、労務の遂行に相当な程度の支障があるもの
331万円
第12級
  1. 一眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
  2. 一眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
  3. 七歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
  4. 一耳の耳殻の大部分を欠損したもの
  5. 鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの
  6. 一上肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
  7. 一下肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
  8. 長管骨に変形を残すもの
  9. 一手のこ指を失つたもの
  10. 一手のひとさし指、なか指又はくすり指の用を廃したもの
  11. 一足の第二の足指を失つたもの
  12. 、第二の足指を含み二の足指を失つたもの

    又は第三の足指以下の三の足指を失つたもの

  13. 一足の第一の足指又は他の四の足指の用を廃したもの
  14. 局部に頑固な神経症状を残すもの
  15. 外貌に醜状を残すもの
224万円
第13級
  1. 一眼の視力が〇・六以下になつたもの
  2. 正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの
  3. 一眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
  4. 両眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
  5. 五歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
  6. 一手のこ指の用を廃したもの
  7. 一手のおや指の指骨の一部を失つたもの
  8. 一下肢を一センチメートル以上短縮したもの
  9. 一足の第三の足指以下の一又は二の足指を失つたもの
  10. 一足の第二の足指の用を廃したもの
  11. 、第二の足指を含み二の足指の用を廃したもの

    又は第三の足指以下の三の足指の用を廃したもの

  12. 胸腹部臓器の機能に障害を残すもの
139万円
第14級
  1. 一眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
  2. 三歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
  3. 一耳の聴力が一メートル以上の距離では小声を解することができない程度になつたもの
  4. 上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
  5. 下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
  6. 一手のおや指以外の手指の指骨の一部を失つたもの
  7. 一手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなつたもの
  8. 一足の第三の足指以下の一又は二の足指の用を廃したもの
  9. 局部に神経症状を残すもの
75万円

【備考】

(1)視力の測定は、万国式試視力表による。屈折異状のあるものについては、矯正視力について測定する。

(2)手指を失ったものとは、おや指は指節間関節、その他の手指は近位指節間関節以上を失ったものをいう。

(3)手指の用を廃したものとは、手指の末節骨の半分以上を失い、又は中手指節関節若しくは近位指節間関節(おや指にあっては、指節間関節)に著しい運動障害を残すものをいう。

(4) 足指を失ったものとは、その全部を失ったものをいう。

(5) 足指の用を廃したものとは、第1の足指は末節骨の半分以上、その他の足指は遠位指節間関節以上を失ったもの又は中足指節関節若しくは近位指節関節(第1の足指にあっては、指節間関節)に著しい運動障害を残すものをいう。

(6) 各等級の後遺障害に該当しない後遺障害であって、各等級の後遺障害に相当するものは、当該等級の後遺障害とする。

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※交通事故トラブル、弁護士に相談する前に

自分が加害者で過失割合が高い場合、弁護士に相談してもかえって経費がかさみ、損保の特約だけではカバーできないなど、弁護士に依頼するだけ損になるというケースが多く見られます。

また、被害者であっても、過失割合が 相手と同程度の場合は、弁護士費用の方が高くつくため、費用倒れになることがあります。

そのため、弁護士に依頼する際は、過失割合が10:0など自身に全く過失がない場合、もしくは、過失割合が8:2など有利な状況で、後遺障害等級が高い場合に、弁護士に相談することで損害賠償額を正当に受け取ることができます。